蓮と燐が立ちつくし困っていると

「蓮、燐。あなた達もお座りなさい。一緒に食べましょう。」

母が、微笑みながらそう言うので

「ありがとうございます。」

と深々と頭を下げ、私の隣の席についた。


普段、世話役と言えど一緒の席について食事など

絶対にあり得ない。

特に王や王妃の前などでは―――

だから、2人ともすっごい緊張しているのが分かる。


その様子が、新鮮でクスクス笑ってしまった。


その食事会は、“血の契約”の事も

雪兎の純血種の事にも触れず、他愛のない話をして

楽しく笑顔が溢れる時間が過ぎて行った。

もちろん、ほとんどは母が話を進めて父が返事をしたり

頷いたりしている、という感じだったけど。