深いアメジストだ。

まさか、まさか。そんな事って――――――――――




『“血の契約”が成立したのですね。』

何処からともなく、女性の声が聞こえた。


教会の窓から、何匹もの黒いコウモリが現れ

それは、1つの黒い塊となり人の形になった。


「お母様。」

そう、現れたのは私の母であり、王妃。

一瞬行動が遅れたが、蓮や燐は一歩後ずさり跪く。


「どうしてココに?血の契約って?」

母が表に出る事なんて、殆ど無い。

まして、人間界になんて、聞いた事がない。


「優月、話は後で。雪兎さん、お久しぶり。覚えているかしら?」

「あ、はい。お久しぶりです、叔母様。」

え?なんで?

「雪兎、お母様に会った事あるの?」

「あー。うん、まぁ・・・。」

またそんな歯切れの悪い言い方して

何を隠しているの、雪兎―――――