「蓮、何するんだよ。」

勢い余って床に叩きつかれた燐は、鼻を打ったのか

擦りながら、恨めしそうに睨む。

「冷静になれ。」

そんな燐を冷たい目で見ながら一言だけ言った。

「冷静にって・・・あれ、血の匂い」

クンクン鼻をならし、私と雪兎の方を見た。



なに?何か違うの?

思わず私も、自分の身体を匂ってみたりする。

でも、長時間血の匂いに囲まれていた所為か、鼻が利かない。

「ククッ…優月じゃない。きっと僕の血の匂いだ。」

「え?雪兎の血?」



不思議に思っていると、蓮と燐が近づいてきていた。


「雪兎、お前。純血種だったのか?」


「「えーっ!?」」


私と燐が同時に、叫んだ。