「うっ…あ、熱い…あ、血が沸き立つ、みたい……あ…」

雪兎の身体が、急に仰け反り

閉じられていた目は大きく見開いている。

始まった―――


祈りを込めるように、雪兎の身体を

ギュッと抱きしめる。

強く、強く…離さないように。


「あ、あぁ……あ……ハァハァハァ…ウグッ…」

吐き気が襲っているのか、口に手をやり

必死に何かを抑えているようだ。

「雪兎、雪兎…」

いつか雪兎がしてくれたように、背中ゆっくりを擦る。



だんだんと、雪兎の息遣いが小さくなり動かなくなっていく。

そして、次第に擦っていた背中の体温も

冷たくなっていった――――――――――――――――