雪兎の血のお陰で、私の傷口はもう塞がっていた。

だから、右手首を噛み切って

新たな傷口を作る。


手首を雪兎が飲みやすいように近づけるけど

血が雪兎の口に含まれるだけで

飲みこんではくれない。


たぶん、その力も

もう残っていないのかもしれない―――


すぐに塞がってしまう傷口を

また、ガリッと噛み今度は私が口に含んで

口移しで飲ませた。


――――ゴクッ――――

雪兎の喉が上下に動いた。



この先、何があっても受け止めよう。

もし、雪兎がディジェネレートになるようなら

この手で、天国に送ってあげよう。