ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・

喉が鳴るたび、雪兎の血が私の体に染み渡って行く。


「…ん、あぁっ…はぁっ…ゆ、づき…」

目が虚ろとなり、身体を抱きしめる腕が強くなる。

痛みが少しでも和らぐように―――

首から、牙を抜いてそっと傷口を舐める。



「も、いいの?」

「うん。もう十分よ。ありがとう。今度は雪兎の番。私の血を飲んで。」


正直なところ、まだ足りない。

けど、もういい。

雪兎の気持ちは、血を伝って聞こえてきた。

―――愛してる。

―――愛してる。

何度も、何度も―――血が喉を通るたび聞こえてきた。

胸がいっぱいで、もう要らない。