「さぁ、もう時間がない。僕の血を吸って?」

雪兎は、シャツをめくり首を傾けた。

そこから、静瑠の屋敷で受けた傷跡が

生々しく見える。

痛かっただろうに、こんなになるまで我慢して――――


「雪兎・・・。」

言おうとした言葉を言えなくなった。

だって、雪兎が私の唇を人差し指で塞いだから。



「最期くらい、僕から言わせて。優月、愛してる。君に出会えて良かった。」

「私も、雪兎に会えて良かった。愛してる。」

唇を重ねるだけのキスを交わした。

そして、意を決して雪兎の首筋に牙を立てた。