車の中では、三人とも無言で萌の鼻をすする音だけが響き渡る。


諒は、何も言わず萌の鼻水と涙を手で拭ってくれた。

諒のマンションに着くころには、涙は止まっていた。
なんで涙がでたんやろ?
ヤキモチ妬いてるん!?

諒に?
優輝に?
あまり深く関わったら自分が傷つくかも…しれない。

そんな事を思い諒の部屋に入った。

真っ暗でシーンとしている部屋に優輝が電気をつけた。

諒…「萌?はい。」

諒は、さっき両手いっぱいに持っていた袋を萌に渡した。

諒…「俺と優輝からやで!」

優輝…「開けてみ?」

萌は、袋のなかを覗いた。中には……

エルモの赤ペンやシャーペン、消しゴム、ふでばこ、ノート10冊…
などいっぱい入っていた。