「その代償として…



この組織には壊滅してもらうけどな」



清和に突きつけた左腕。


それを見た清和の目つきが変わった。



────・・・

SIDE 莉子


結局あたしは一人、ユキの傍に残った。


いつも抱きしめてくれる腕も、


柔らかい笑顔も


もう、どこにもない。


あたしよりも冷たい手に触れると、たまらなく零れてしまう涙。


「ユキ…」


返事はないってわかってるのに。


"紹介するよ、この人は莉子。俺が愛してる奴で…これから一緒に生きていきたいと思ってる人だ"


一緒に生きていきたいって言ったよね…?


あたし、うれしかったんだよ?