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「ここだよ」


連れてこられた一つの病室。


その奥にユキはいた。


「ユキ……っ」


複雑な機械に繋がれて…


虫のような息しかしていない。


意識さえ、もうなくなっていた。


「ユ…キ……」


頭を金づちで殴られたように、心が痛んだ。


涙で視界がかすれる。


「…もう、容態が悪化しすぎて助からないって…」


マスターが涙ぐんだ。


助からない…?


ユキが…?


まだ、生きてるのに…


手だってこんなに温かいのに……


目の前から光が消えたような…。


「…なんでっ…手当だって…治療だってしたんでしょっ」


受け入れられない想いが、涙となって次から次へと溢れる。


嘘だよ…


ユキ……っ!!!!


マスターもやりきれなさそうにうつむいた。


「…毒だって」