「…隼人だって何か事情があるんだろ」


「だけどっ!!!」


ユキは横に首を振った。


「いいんだよ、俺だってこんな仕事をまだ続けてる」


そんなこと…。


「莉子は…俺を軽蔑するか?」


「……っ」


涙が溢れた。


不安にさせてる…


ユキと生きるって決めたのに。


「軽蔑なんてしない。ずっとずっとユキの傍にいる」


…抱きしめることしかできない。


ごめんね。


「ありがとう」


ユキは前髪を押さえて天井を仰いだ。


その声は少しかすれていた。