「……っ」


驚いたような表情。


「ユキの方が冷たいよ」


「……うるさい」


あたしが笑いかけると、ユキは目を細めて微笑していた。


「なぁ…莉子」


「…ん?」


急にユキの顔つきが変わる。


「隼人のこと、気になるか?」


低い声が突き刺さるように、


まっすぐ頭に入ってきた。


ドクン…ドクン…


心臓がうるさい。


隼人のことなんて…


「気になるはずが…ない」


声が震えた。


ユキを不安になんかさせちゃいけない。


それなのに、どうしてこんなに緊張するのだろう。