「あいつ…まだ懲りてないのかよ」
それでも店を辞めない俺に、先輩たちの攻撃はエスカレートするばかりだった。
毎日のように仕事終わりに呼び出されて、先輩たちの気が済むまで殴られて。
…心も体ももうボロボロだった。
「…っはぁ…はぁ」
暗闇の中、やっとの思いで家路を急ぐ日々。
だけど…
「おかえり」
「…っ!!!」
深夜だというのに、施設の玄関には先生が立っていた。
驚いて言葉を失う俺に、先生は悲しそうに言った。
「夜中までこんなに怪我して雪夜は何をやっているんだ」
「……」
毎晩深夜の遅くまで帰らないから、さすがに気づかれたんだろう。
でも俺を責めているわけではなくて、心配してくれてるんだと言うことは痛いほどわかった。
そうだとしても…
夜の街で働いて、あんなことしてるなんて言えなくて。