「ありがとう、ございます」


俺はそう言って、分厚い封筒を受け取る。


上辺だけの愛情を売って稼いだ大金。


社長はすごく俺のことを気に入ってくれていた。


「来月もよろしく頼むよ」


「はい」


その大金を持って、病院へと急ぐ日々。


市で一番大きな病院。


そして個室に移された狭い病室。


扉を開けると


「…お兄ちゃん?」


「よう」


「お兄ちゃんっ!待ってたよっ」


いつだって、俺を笑顔で迎えてくれる加奈子の姿があった。


「調子はどうだ?」


「お兄ちゃんが来てくれたからすっごい元気」