加奈子さん…


妹って…


静かな部屋に響くのはユキ君の荒っぽい吐息だけで…



「何言って…」


ユキ君の目から光が消える。


「何…はぁっ…言ってんだよ」


俯いたユキ君の肩が震えていた。


「雪夜…」


先生がユキ君に触れようとしゃがみこんだ瞬間、ユキ君は先生の胸ぐらにつかみかかった。


「証拠は!?!?あいつは今どこにいんだよ!!!!」


荒々しい声でユキ君が叫ぶ。


「雪夜…っ。少し落ち着きなさい!!」


「加奈子が死んだって言うのに落ち着いてられる…っあああ!!!」


ユキ君が心臓を抑えてうずくまる。


先生を押さえつけていた手がやっと緩んだ。