「ユキ君、ほらっ。まだダメだって。お願いベットに戻ろう?」


あたしが触れようとするとユキ君はその手を乱暴に振り払う。


「構うな…っあ…は」


声を出すのも辛いのか、心臓のあたりを抑えている。


「だめ…だめだって」


もう悲しくて涙しか出てこない。


「お願い…」


どうすれば…

どうすればユキ君を止められるの?


零れた涙が一つ、ユキ君の手の甲に落ちた。





「いい加減にしろ!!雪夜!!」


ビクンッ!!


大声と同時にユキ君の動きが止まる。


声の主は、今まで黙っていた先生だった。