「え…」


ユキ君はしばらく黙ったままだったけどやがて思い出したみたいだった。


「ごめん…迷惑かけて」


「そんなっ!!全然!!ユキ君が治ってくれればそれでいいよ」


あたしの言葉に下を向いたまま微笑するとユキ君は体を起こす。


「ユキ君!?まだ治りきってないんだから寝てないと」


それなのにユキ君は苦しそうな表情のまま体を起こしていく。


「ねぇ、ユキ君っ!?」


「バイト…行かなきゃ」


「バイト!?そんなの今日は仕方ないよっ!!今日は体を休めなきゃ」


「そんな暇ないんだよ…」


「ユキ君…っ!!」


壁に手をつきながらベットから立ち上がる。


「…っ!!!」


ガクンっー!!


それでも、立っていることすらままならないでユキ君は崩れ落ちた。


「はぁっ…はぁ」


座っていることもできない。


壁にもたれて体勢を支えるのがやっとだった。