少しだけ照れたように笑う、隼人の姿だった。


…え?


どうして怒っているはずの隼人が笑ってるの?


頭がついていかない。


「そうならそうって最初から言えよ」


そう言ってあたしのことをギュッと抱きしめる。


ドキンッ


鼓動が速くなっていく。


「てっきり嫌われてると思ってた。お前、俺といると笑わないから」


「違う…ドキドキしすぎて余裕なくて笑えなかった」


そう言うと隼人がクスッと笑う吐息が耳をくすぐった。


「それ聞いて安心したよ」


「ごめんなさい…でもあたし隼人のこと…」


「だから、ここからは俺が言うって言ってんだろ」


そう言って隼人があたしの方に向き直った。