「うん、今日から練習に参加してくる」


青のジャージ姿の藤堂君の手にはサッカーボール。


あの後藤堂君は高校のサッカー部に正式に入部届を出した。


「よかったあ~っ」


あたしは嬉しくて泣いてしまった。


「莉子ちゃんったらほんと泣き虫だよね」


「だって~」


嬉しくて嬉しくて仕方ないんだもん。


そんなあたしを藤堂君はニコニコと眺めていた。


その嬉しそうな顔を見ると余計にニヤけてしまう。


「…これはみんなのおかげだよ」


藤堂君はサッカーボールに目を落とした。


「みんながいてくれたから俺はまた人を信じれるようになった」


どんな時でも藤堂君のことを思ってくれる仲間。


彼らの絆は想像以上にずっと強いもの。