勝負は一瞬にして決まった。


もちろん、隼人達の圧勝。


「このっ…覚えてろよーっ」


ヤンキー達は逃げるように走り去っていった。


強すぎる…


いつもは優しい彼らの違った一面。


自分が今、どれたけ危険な状況にいるのかを感じさせる。


でも、怖くない。


この人達はあたしの味方だってそう確信できる。


それが何より嬉しかった。


戦いが一段落した隼人達が藤堂君の元へかけよってきた。


「お前の借りは返したぜ」


隼人がニッと笑う。


「サンキュ…」


藤堂君が微かに微笑み返した。


と、同時に藤堂君が目を閉じる。


「…っおい藤堂!!」


服部さんが咄嗟に叫ぶけど…


「大丈夫、寝てるだけ」


ユキ君が答えた。


小さく寝息を立てている藤堂君は穏やかな顔をしていた。