「派手にやられたな。大丈夫か?」
ぐったりと横たわる藤堂君を服部さんが見下ろした。
荒い息のまま藤堂君が目で合図する。
「莉子と抜け駆けしようとするからだよ」
隼人が笑った。
「ま、無事ならそれでいい。ただ…」
そう言いかけて隼人は藤堂君を襲ったヤンキー達を睨んだ。
「この借りはきっちり返させてもらうけどな」
その言葉に服部さんとユキ君がうなずいた。
「のぞむところだ」
ヤンキー達も拳を叩く。
そして
「うあああああ!!」
大声を合図に喧嘩が始まった。
…服部さん、ユキ君
隼人!!
あたしはその状況を見ているしかできないけど…
強い!!
強いよ…!!!
気づけば涙が溢れてきた。
両手で顔を覆った。