藤堂君!!
心の中で叫んだ。
でもその言葉の後は藤堂君は何一つやり返さなかった。
それからは…一方通行な攻撃が続く。
「…ほら、さっさと立てよ」
「…っ!!」
殴られ、蹴られ、苦痛に顔を歪める藤堂君をただ見ていることしかできない。
時々苦しそうな声を漏らしながら懸命に堪える。
涙が止まらない…だってこれは…
あたしのせいだ。
あたしに危害を加えさせないため、藤堂君はやり返せない。
そもそも今藤堂君がこうなっているのも、あたしがあの時捕まったからで…
でも体は指一本動かせなくて、あたしはただただ泣くしかできない。