ニヤリと笑ってあたし達を見てくる人達。
指定のネクタイの色から先輩なんだとわかった。
一瞬にして藤堂君の目つきが変わる。
「…何の用だよ」
さっきとはまるで別人のような冷たい声でそう言うと、あたしを背にかばうようにして立った。
「この前は仲間にお前達のグループがずいぶんよろしくやってくれたじゃねえか」
「年下のくせに」と舌を出す。
「そのせいで俺がどんなに酷い目にあったことか」
そう言って後ろから出てきたのは
…あ!!!
この前あたしを体育倉庫で襲おうとした人。
フラッシュバックする記憶に冷静さを失っていく。
怖かったことを思い出してしまう…。
震えが止まらない。
怖いよ…
「大丈夫だから」
藤堂君があたしを隠すようにかばってくれているけど
上級生に囲まれてしまって不利な状況は一目瞭然だ。