「…そうするしかないかないか」
「だよな。もうこれが最後の大会だし…」
仲間たちが次々に同意していった。
目の前が真っ暗になる。
「てなわけで悪い藤堂!!自分で怪我したってことにしてくれ」
なんでだよ…
言い返す言葉なんてなかった。
サッカーはチームワークだって誰かが言ってたっけ?
でも、仲間意識なんてその程度。
俺はこのチームには必要なかったんだろ。
結局俺は彼らの言うとおり自分で怪我をしたということにして、次の日に部活を辞めた。
同時にサッカーも辞めた。
────・・・
「それから俺はこうなったわけ」
そう言って藤堂君は自分の格好を指した。
この不良っぽい外見からはサッカーをやるなんて信じられない。
それをわざと狙っていたのかな?
そう思うとまた悲しくなってくる。
「もうっ!莉子ちゃん!そんな暗い顔しないでよ!」