その日の応援団で何気に蓮に聞いてみた。

「ねぇ蓮?」

「あ?」

「蓮ってさ好きな人いるの?」

ドキドキ・・・ドキドキ

だんだん胸の鼓動がはやくなっていく

「好きっていうか気になってるぐらいかな」

グッサ!

やばい。なんか泣きそう。

こんなにも蓮のこと好きになってたんだ。

「それ、誰?」

自分であってほしいと思ってしまう自分がいた。



でも、現実はそんなに甘いものじゃない。

「あんま言わないつもりだったけど杏ならいいか!
 同じクラスの、川野しずく!」

顔を真っ赤にして下を向く蓮。

やめて。そんな顔しないで。

「なんで好きになっての?」

なんで自分はこんな質問しかできないんだろう。

「好きになったっていうか・・・
だんだん気になりだしたんだ」

もうそれ以上言わないで。

自分に聞いた質問に苦しみながらも、蓮を冷やかし続けた。