そう悪態をついた瞬間、僅かに鈍く痛む
、私の胸。
ズキリ、と、鈍い痛みが、心臓の中点を
貫くような。
すごく、息苦しくて。
───駄目。キスしないで、他の女の子
となんて。やだ、そんなの。
脳裏を過ったのは、確かにそんな思い。
そう思う自分が心の奥底でさ迷っていて
、自分でさえどうしてそう思うのかわか
らない。
「恋那?」
光弥に呼ばれて、ハッと我にかえる。
急に黙りこんだ私を、不思議そうに見つ
める光弥と目があって、私は慌てて笑顔
を取り繕った。
───あんなの、気のせいだ。
「あ、条件って言うのはね、ピーマンを
まるかじりする事!」