いたずらっ子みたいな、楽しそうで、意
地悪そうな、ほんの微かに、甘さを孕ん
だ声。



そんな光弥に、「え?」と問う暇さえ与
えられず、私は床に押し倒されていた。



それは、一瞬の出来事で。──そう、瞬
きさえも、忘れてしまうくらい。



冷たい床の感触と、温かい光弥の体温が
入り交じって、変な感じ。



背中から伝わる温度はとても冷たいのに
、光弥の跨がってる部分と、光弥に見つ
められた部分だけが、とても熱く、熱を
籠らせていた。



「こ、光弥?」



たどたどしい声で、苦笑いを浮かべなが
ら光弥の名を呼ぶと、光弥は伏し目がち
に笑う。



「ねー……俺さあ……欲求不満かも」



さっきまでの甘さとは、比べ物にならな
いくらい、糖度の増した、声。



どんなリアクションをすればいいのかわ
からなくって。