「──あっ、や、別に。大丈夫……。ご
めんね、ちょっとボーッとしちゃって」



ヤバいヤバい。

夏希ちゃんに思わず見惚れてた……。



ははは、と笑うと、夏希ちゃんもホッと
したように微笑んだ。



「そう?具合が悪くなったら、早めに言
った方が良いからね?とりあえず、片方
持つよ!そっちの方が、軽いでしょ?」



ね?って私に両手を伸ばして笑った夏希
ちゃん。そんな夏希ちゃんの厚意を、も
ちろん、無下になんか出来なくて。



「うん……。ごめんね、ありがとう」



結局、一緒に持つことに。



「そういえば、夏希ちゃん。どうして校
庭に残ってたの?実行委員会以外は、も
う下校だよね」



二人で荷物を運ぶ途中、不意に気になっ
てそう訊くと、夏希ちゃんは、ちょっと
笑った。



「あ、うん。そうなんだけど……。でも
恋那ちゃん、大変そうだったし。それに
、暇だったから」