着替えるのがスーパー早くて、既に携帯
をいじってた千夏にそう聞く。
私なんてまだ、下着姿なのに。
「7時50分」
「嘘!!」
もうそんな時間なの!?
私は慌てて、仕度を始めた。
のんびりしすぎた。まさかもうそんな時
間だったなんて。
約束の時間まで、あとちょっとしかない
じゃん!!
「ごめん千夏!先行ってるね!」
「おー。いってらっしゃーい」
私は浴衣を羽織って、髪も乾かさずにテ
ラスに向かった。
火照ったからだに、夜風が気持ちいい。
テラスには、既に圭君が待っていて、じ
っと空を眺めていた。
それにつられて、私も真っ暗な空を見上
げてみる。