「なんもしねーよ。するわけねーよ。」

あたしが、怯えていると思ったのか、先輩は優しくそう言った。


先輩に抱き締めらたままのあたしは
なぜか安心して、落ち着いた。


先輩は、ゆっくり体を離して、
「真矢ちゃんは、大丈夫だ。」と言って、再びあたしを抱き締めた。



真矢は?大丈夫?

あたしは、その言葉を聞いてまた涙が出てきた。
水着を着ていて、何も羽織っていない先輩の体に、あたしの涙が触れてしまった。

あたしが、体を離そうとすると
先輩は、抱き締める力を強めて
「かまわねーよ。」と言った。