それでも高校に入り暫くするとお互いを何故かさん付けで呼んでいた。

はたから見たら友達になったばかりに見えるが話したいる事は
遠慮が無い、なんて言う可笑しな図だっただろう。

話の路線がズレだが、僕の好きになった子は同じく美術だった。


この時はまだ意識なんてしてはいなかった。
暫くすると、阿部がマスクをつけて学校を過ごす様になった。
風邪だったらしいのだが、そのうち女子や男子の間でカッコいいと言う
イメージをつけられてしまい、マスクを取るに取れなくなってしまったのだ。


それに僕は便乗してしまったのだ。


次の日、マスクをして登校した。
阿部には、良かった、俺だけマスクが心細くなっていた。と感謝をされたが
特に意味もなくマスクをつけたいたのだ。あ、僕はね。

マスクをつけ始めて一週間、入学したばかりの頃はクラスもほかの学年も
僕の顔を覚えていなかった。

阿部には「お前マスクするとなんかカッコいいよな、眼鏡で地味に見えるけど」などと言われてしまった。


これは、ヤバイ。
僕までマスクー取るに取れなくなってしまった。

しかしこれはまだ序の口だった。