講堂に着くと、もうたくさんの生徒が集まっていた。



同じ制服に身を包む、300人を超える生徒。

みんなやっていることはバラバラだったけど、それでもこの講堂にいる全員が期待に胸をふくらませ、同じイキイキとした表情をしていた。




きょろきょろとあたりを見回してみる。


残念ながら、私と同じ中学出身の生徒でこの学校に入学した人はいない。



特に喋る人もいない私は、一人ぼんやりと椅子に座って入学式の開会を待っていた。




* * * * *





そして、入学式が始まった。


入学者名が読み上げられ、定番の長い校長先生のお話も終わって、やっと入学式の終盤に差し掛かった。



はぁ…眠くなってきた…




こういうきちんとしてなくちゃいけない式は苦手だ…



まわりの生徒も、ガッツリ寝てる人もいれば、寝まいとしきりに目をこすっている人も見える。



…そんな私たちの眠気との戦いも知らず、入学式は淡々と進んでいく。



次のプログラムを読み上げる、司会の先生の声。



『続きまして、新入生代表挨拶』