…そこからはもう、言わなくてもわかるでしょう。
なにが「てへっ」だコノヤロウ。
私の楽しい楽しい寮生活を返せやコラ。
そんな、いつもの私からは絶対にでることのない言葉が頭の中をぐるぐるとまわり、
目の前のこの馬鹿野郎をひと睨み。
するとその阿呆は、真っ青な顔をして、
「ちょちょちょ、ちょっと待っててぇぇ!! 今すぐ確認してきます!!」
そう叫んで、チーターもびっくりの足の速さで職員室を出て行った。
そして数分後…
私が今か今かと職員室の前で華嵩先生の帰りを待っていると、
華嵩先生は涙と鼻水を垂れ流しながらくしゃくしゃになった寮の地図と共に恐る恐る職員室に戻ってきた。
そして、前触れもなく勢いよく頭を下げる。
いくらキレているとはいえ、いきなりの先生のそんな行動にさすがの私も少しひるんでしまい
「な、なんですか?!」
慌てて先生に顔を上げさせる。
顔を上げた先生は、超申し訳なさそうに、私に恐ろしい言葉を聞かせた。
…どうやら、寮の部屋は華嵩先生のミスみたい。
なぜか私の名前を間違って男子の名前のほうに振り分け、
「あれ、これ女の名前じゃないか?」
と思いつつもそのまま男子寮へと名前を書きいれたらしい。
そして、
……こんなときに限って女子寮が満室…。
今年は例年より女子の入学者が多かったらしく、予備の部屋までしっかりと部屋が埋まってしまっているのだとか…。
…そして、私に下された結果。
「申し訳ないけど… 亜生ちゃん…」
「…はい」
「男子寮に…住んでください……」
……
「…はぁぁ?!」