「あれぇ? 照れてるんですか?」
クスクスと妖艶な笑みを浮かべ、私の顔を覗き込む。
見ないで~~~!!///
「って、照れてないよ!!!」
赤くなった顔を隠し、ソッポを向く。
なんだなんだ…?!
この人、優しい紳士じゃなかったの?!
どうやら優しい紳士の皮を被っていたらしいこの悪魔。
なんて悪い男なんだ…!!
そんな甘い悪魔の攻撃は、まだ止まない。
「照れてないならこっちを向いて。 貴女の可愛い顔を僕に見せて下さい」
「や~め~て~!!!」
「なんでですか? 僕は貴女にこっちを向いて欲しいだけですよ?」
意地悪な笑みで、私のあごに手をかける。
そのままぐいっとあごを引き、
「…やぁ…っ///」
私の抵抗もむなしく、私の顔はあっけなく玖澄さんの方に向いてしまう。
そして、玖澄さんは、いままでで一番キラキラした笑顔で、
「ほぉら、真っ赤」
「~~~っ//////」
…なんでいじわるな人だろう。
人は見た目と表面の顔だけで判断しちゃだめだ!!!
「…玖澄さんのいじわる…」
かすれるくらい小さな声で、なんの迫力もない涙目で、私は言う。
でも、そんな行為はこの悪魔には楽しみの材料にしかならなくて。
「かわいいですね。 好きになってしまいそうです。」
…そんな必殺技みたいな言葉、私につうじないとでも思った?
私はついに、机に突っ伏し、顔を上げられなくなった。
最後に、玖澄さんの一言。
「おやおや。 いじめすぎちゃいましたかね」
……
私はこれからの高校生活、こんな最強悪魔と過ごさなくてはならないのか…