* * * * *
それから私は、遅れた理由
(ホントのことはなんとなく言いにくかったからその場で取り繕った嘘)
を華嵩先生に話し、もう一度頭を下げ、指定された席についた。
席にむかう途中、まわりの生徒たちを見渡してみると、
「あ…。 侑宇っ!」
侑宇の姿を発見。
おんなじクラスだったんだ!
侑宇も私の視線に気づき、軽く手を振ってくれる。
なんか嬉しいなぁ!
これからもいっぱい仲良くできるといいなっ!
少し気分が上がり、ルンルン気味に席に向かう。
「あ、ここだ」
自分の席に着き、椅子に座る。
カバンを机に置き、やっと一息。
ふぅ…
なんか疲れたなぁ。
椅子に深く腰掛け、息をはく。
「なんだかお疲れみたいですね」
そんな時、私の隣から声がした。
丁寧な敬語だった。
私の知り合いにこんな丁寧な人はいないぞ?
そう思い、声がしたほうに顔を向ける。
そこには、
…まさかまさかの、玖澄さんがいた。