「お姉ちゃん、優さんとお幸せに!早く結婚してね!」



ニヤニヤしながら爆弾発言をするあたしの妹の楓。



「結婚って!あたしまだ20歳になったばっかりだよ?ないない!」



お母さんたちの前で変なこと言わないでよ。



ややこしくなったら家に出にくくなっちゃうじゃん。



「でも、優さんは結婚前提で同棲したいってお家に来て言ってたじゃん!



いいないいな、私も早くお姉ちゃんみたいにかっこいい人に出会いたい!」



と調子良く楓が言っていると、お父さんが「楓はまだ早い!高校でちゃんと勉強しなさい」と言われていた。



「とにかく、今まで3人とも本当にありがとう。



もしかしたら……優とケンカしてここに帰ってきちゃうかもしれないけど、その時はよろしくお願いします」



あたしはペコっと軽くお辞儀をして、ボストンバッグを掴み3人に手を振った。



そして生まれ育った家を背にしてゆっくり後にした。