「…うーん、でも試合終わったら絶対乾かしてね!」
あたしは突っぱねていた手の力を抜いて優の顔を見つめた。
すると優は一瞬困った顔を浮かべたけど、分かったよ。と言ってさっきよりも
ぎゅっと抱き締めてきた。
そして優のことを考えると心臓の鼓動が早くなってしまうので
目の前に写っているサッカーの試合だけを強引に考えるようにしてなるべく抱き着いている優のことを考えないようにした。
それからロスタイムも終わって完全に試合が終わった時にはすっかり優の寝息が聞こえていて
「試合の後だしやっぱりすごく疲れちゃってるんだなぁ」
って思いながら優の肩からバスタオルをそっと取って、起こさないように離れて
優しく彼の綺麗な髪を乾かした。