100m走、趣向走―。刻々と時は進む。
紅組と黄組は接戦だった。勝負は、最終種目、

『 色別対抗クラス選抜選手リレー 』

にかかっていた。

参加出来るのは、2年生からクラスごとに男女1人ずつ、クラスで選抜された選手。
私のクラスで女子選手に選抜されたのが、れなという訳だ。

この競技は他とは違い、1位には100点が与えられる(ちなみに2位は80点、3位は60点、4位は40点)。
現在、得点では黄組が勝っていた。得点差は16点―――このリレーで1位をとれば優勝が決まる。

そして今走っているのがアンカー―れなという訳だ。
闘う相手はやはり黄組だった。差は僅差―僅かに黄組の走者の方が前にいた。

追い詰めるれな。その距離はぐんぐん縮まっていく。

「がんばれれなーーー!!!」

私は自然とそう叫んでいた。ゴールの瞬間は、ほぼ同着だった。
私は、審議の結果を祈った。

     *     *     *

「審議の結果―――」

私は目を瞑って祈る。心臓が破裂しそうだ。

「1位、紅組!!!!!」

大地が割れる程の歓声と、紅組の優勝が決まった瞬間だった。

     *     *     *

「あーあーあー、楽しかった!」

私は心からそう言った。
あの後、優勝が改めて発表され、
何と、紅組は応援賞も獲得することが出来た。
こうして、小学校生活最後の運動会は、
黄組の三連覇阻止/W優勝
という偉業を成し遂げ、幕を閉じたのであった。