バァァアンッ!とかなり大きな音を立てて、事務所の扉が開かれる。
「ちょっと、葵っ!?」
その声の主は、もしかしなくとも…。
ゆっくり視線をずらすと、勝気でつり目がちな大きな瞳を、ジト目に変えている彼女。
相変わらず可愛らしい顔立ちは、表情を変えても健在だ。
オレは嫌な汗が背中をツーッと流れるのを感じていた。
「ふーん……」
ゆっくりと一歩ずつ、彼女のお嬢様という身分をあらわす制服をふわりと揺らして近づいてくる。
腕を組んだまま、まるで試されているかのような雰囲気に緊張せずにいられない。
平静を装ったオレの鼓動は、虚しくもドックン、ドックンと激しく騒ぎ立てるばかりだ。
「よ…、よう」
オレが引きつりながらも、絞り出した声で挨拶してみる。
「随分と楽しそうなお仕事ね?」
彼女が見ていたのは、繋がれてしまった秋さんとの手。
慌てて離してみたが、もう遅いのはわかってた。
「べ、べべ、別にどうだっていいだろう!?」
そうだ、そもそも彼女にそんなこと言われる筋合いはない。
大体、彼女が好きなのは自分の兄貴なんだから!
…もう、報われることはないんだけど。
自分で言っておいて、意気消沈としてしまった。
「ちょっと、葵っ!?」
その声の主は、もしかしなくとも…。
ゆっくり視線をずらすと、勝気でつり目がちな大きな瞳を、ジト目に変えている彼女。
相変わらず可愛らしい顔立ちは、表情を変えても健在だ。
オレは嫌な汗が背中をツーッと流れるのを感じていた。
「ふーん……」
ゆっくりと一歩ずつ、彼女のお嬢様という身分をあらわす制服をふわりと揺らして近づいてくる。
腕を組んだまま、まるで試されているかのような雰囲気に緊張せずにいられない。
平静を装ったオレの鼓動は、虚しくもドックン、ドックンと激しく騒ぎ立てるばかりだ。
「よ…、よう」
オレが引きつりながらも、絞り出した声で挨拶してみる。
「随分と楽しそうなお仕事ね?」
彼女が見ていたのは、繋がれてしまった秋さんとの手。
慌てて離してみたが、もう遅いのはわかってた。
「べ、べべ、別にどうだっていいだろう!?」
そうだ、そもそも彼女にそんなこと言われる筋合いはない。
大体、彼女が好きなのは自分の兄貴なんだから!
…もう、報われることはないんだけど。
自分で言っておいて、意気消沈としてしまった。