「紫苑ちゃん…」

比呂ちゃんが私に駆け寄ってきた。

『ごめんね…』

「あの人って…」

洸枒くんが聞いてきた。

『うん…元彼…』

「そっか…悪りぃ俺と紫苑ちゃん抜けるわ…」

『えっ?』

「わかりましたっ‼ばぃばぃ♪紫苑ちゃん」

比呂ちゃんが答えた。

私と洸枒くんはカラオケ屋から出た。

「ごめん…連れ出して…」

『ううん…どこ行くの…?』

「紫苑ちゃんの家まで送ってく。」

『ありがとぅ…』

「俺もこっち方向だょ…」

『そっか…』

「あの人となんで別れたの?」

『…………』

「ごめん…言いたくなかったら言わなくていいから…」

『…兄妹になるから……』

「え…」

『私のパパと蒼のお母さんが再婚するの…』

「そぅ…なんだ…見た感じだとあの人はまだ紫苑ちゃんの事が好きなんだろぅな…。」

『もぅ好きになっちゃダメだもん…』

「…俺じゃだめ?」

『えっ…⁈』

「紫苑ちゃんの笑顔を俺が守りたいんだ…。」

『でも…』

「まだあの人の事が好きなのは分かってる…返事はすぐにじゃなくていいから…でも…年下とかじゃなくて一人の男として見てほしぃ…」

洸枒くんはすっごく真剣な瞳で

私を見つめている。

『ぅん…』

「やった♪家どこ⁇」

『あの青い屋根の家だょ…』

「嘘…俺ん家その斜め前♪」

『本当⁇今まで会わなかったのがすごいねっ♪』

「うんっ♪」

眩しい笑顔…。

いくら年下と言っても

洸枒くんは私より

20㎝ぐらぃ身長差がある。

それに洸枒くんは

顔立ちがいぃ…。

って私は変態かっ‼

「ここだょね⁇」

『ぅんっ送ってくれてありがとぅ♪』

「いいぇ♪じゃメールすんねっ♪」

『うん♪ばぃばぃ♪』

ガチャ

洸枒くんといると

楽しいな…

「しーおーん…」

『うわっ‼ビックリしたぁ…もぅ‼パパ驚かさないでょ‼』

「あの爽やかなイケメン君は誰だよ…」

『一つ下の杉浦洸枒くんだょ…』

「杉浦って斜め前の?」

『うん…そぅだけど…知ってるの⁇』

「杉浦誠哉って言ってパパの同級生だょ♪(セイヤ)杉浦くんの家も父子家庭なんだょ…」

『そぅなんだ…』

私は自分の部屋に入った。

ブーッブーッ

携帯が鳴った。

メールだった。