「は?別れろって言ってんだよ!」
バシッ
『…いっ』
「ちょっ馮風(ふうか)!やりすぎだよ…。」
「うるさい!私はあんたより前からずっとずっと蒼が好きだったの!お姉ちゃんだったから、譲る事が出来たの…なのに…なんであんたなのよグスッ…あんたより蒼の事知ってるのに…どぅして、あんたなのよ!あんた、蒼じゃなくてもいいでしよ!?私に譲ってよ!」
山洞さん…
山洞さんも、私と同じように
蒼の事好きなんだ…。
でも、私も簡単に諦められるような
軽い気持ちじゃない…。
『私も…蒼じゃなきゃダメなの…。確かに蒼の事は山洞さんの方が知っているかもしれない。でも……蒼を想う気持ちは誰にも負けないから…。』
「生意気な事言わないで!!私の想いとあんたの想いは違うの!あんたなんかと一緒にしないで!!!」
山洞さんが手を振り上げた。
殴られる!
私はとっさに目を瞑った。