過去にする。か…。
あの女の言う通りだな…。
海風の事は過去にしないとな……。
俺は立ち上がり
ある人がいる場所に向かった。
俺が来た場所は
使われていない空き教室。
ガラガラ〜
「蒼……。」
「慎…俺、やっと分かったよ。」
俺は慎がいる空き教室に来た。
慎はこの教室でいつもサボっている。
「俺、紫苑が好きだ。海風の事は過去にする。俺…今まで怖かったと思う。海風を亡くして、紫苑を手に入れると紫苑も居なくなるんじゃないかって。ずっと怖かったんだ……。」
「そんな事言いにここに来たの?俺に言うんじゃなくて、もっと言わなきゃいけない人がいるんじゃない?」
「慎…ありがとな!」
ガラガラ〜
「お礼言われるような事してねぇよ…はぁ……本気だったんだけどな…」
俺は、保健室に走った。
ガラガラ〜
中には紫苑とさっきの女がいた。
「ちょっと来い。」
俺は紫苑の手を握り
保健室を出た。
『蒼…?どぅしたの…?』
紫苑の目は痛々しく腫れていた。
「いいから。」
俺達は屋上に来た。