ガラガラ〜

俺が、保健室を出た瞬間

『……ウッ…グスンッ………』

紫苑の泣き声が聞こえた。

結局俺は

また紫苑を泣かせてしまった。


戻って抱き締めたい…。

でも、今の俺には

出来ない…。

俺はその場にしゃがみこんで

声を押し殺して泣いた。

海風…

俺は一生人を愛してはいけなぃのか……?

すると、

「どうしたんですか?」

見たことない女が

話しかけて来た。

「いいかげん忘れてぇよ…」

こんな事を言っていた。

「あなたに泣く資格あるんですか?」

「は?」

「紫苑ちゃん泣いてたんですよ⁉あなたを想って‼海風さんを気にする気持ちは分かります。じゃあ紫苑ちゃんはどうでもいいんですか⁉」

この女の言葉が

胸に突き刺さった。

「いつまでもうじうじ悩んでないで、海風さんの事は過去にしてください。それで、紫苑ちゃんを幸せにしてください。」

ガラガラ〜

そう言い残し

女は保健室に入っていった。