私たちはそのまま学校に行った。

「王子と姫だ!」

「お似合いだなぁ♪」

え?

なんでこんなに

注目されてんの?

後ろから

「シィちゃん!おはよう♪」

『慎ちゃん♪おはよー。』

「行くぞ」

えっ?

蒼は何かムスッとして、私の手を引いて校舎の中に入った。

「じゃまたな♪」

蒼は私の頭を撫でて二年の下駄箱の方に行った。

蒼に触られた頭が熱いよ…。

教室に入ると、女子からの視線が痛かった。

「姫だ!」

「可愛いなぁ♪」

男子からはこんな言葉ばかり言われた。

「紫苑ちゃぁん♪」

唯一、比呂ちゃんだけが

話しかけてくれる。

『比呂ちゃん…』

「女子の事は気にしなくていいからね!うちは紫苑ちゃんの味方だからね!」

『ありがとぅ♪』

「紫苑ちゃんはすごいなぁ♪一年生で姫とか史上初だよっ♪」

『そうなんだ…』

「あっ!知ってる?王子の過去。」

『過去…?知らない…。』