「お前の気持ちは分かる…けど、いつまでも立ち止まっていたら、いつか後悔すんぞ…?」
「慎にはわかんねぇよ…。海風は!海風は…俺が殺したんだ……。」
「お前が殺したわけじゃねぇよ!」
「大事な人が目の前で死んだんだぞ!?俺のせぃだ…。俺があの時…海風をかばっていれば…海風は俺の隣で今も笑っていられたんだ!俺が…俺が海風の人生を奪ったんだ…。」
二年前
その日は俺の誕生日で
海風とデートの約束をしていた。
海風は十五分遅れて
待ち合わせ場所にやってきた。
その時…
事件が起こった。
俺の目の前で、海風は刺された…。
通り魔だった…。
犯人はすぐに捕まった。
病院に運ばれた海風は
即死だった。
なんで…
なんで海風なんだ…
海風の笑顔も
海風の怒った顔も
海風の照れた顔も
全てが頭に焼き付いている。
あの時俺が刺されていれば…。