バシッ

「いってっ!」

『バカにしないで!私はあんたみたぃな汚れた奴なんかに惚れたりしなぃ!私のファーストキス返して!!!あんたなんか大っ嫌い!グスッ』

私は部屋を飛び出した。

初めてのキスだったのに…。

あんな軽々しく

キスできちゃうんだ…。

蒼は今までだって

他の女の子とキスしたり

それ以上の事もしているに決まっている。

ズキッ

胸が痛い…。

今日、私なんか可笑しい…。

蒼の事を考えると

胸が痛くなったり、苦しくなったりする。

なんなんだろぅ…。

俯いて歩いていると、

ドンッ

『きゃっ!』

思いっきり誰かにぶつかってしまった。

「ごめん!大丈夫?」

『はぃ。大丈夫です。私もよそ見してたし…。』

「名前は?」

『藤崎紫苑です。』

「紫苑ちゃんね♪俺は、浪川慎。2年だよ♪」

『1年です。慎先輩ですね。』

「先輩なんてつけなくていいよー。友達的な呼び方で♪」

『じゃぁ、慎ちゃん♪』

「おっけぃ♪じゃあ紫苑ちゃんはシィちゃんだね♪」

『あはは。はぃ♪』