「……」


しばらく、沈黙が続く。


何か言った方がいい気がするのに、うまく言葉が浮かばない。
こんな状況、初めてすぎて混乱する。


こういう時はどう対処すればいいのさ。

教科書開いたところで対応しきれないにも、ほどがある。




「そっか。お母さんに捨てられちゃったんだ」


そういって口を開いたのは、沈んだ顔をする李莉。


よくみれば、少し目がうるんでいる。


「つらかったね。でも、もう平気だよ」


李莉は少年に寄り添い、背中を撫でる。


その様子は、美少女と美少年が並んでいるせいか、まるで一つの絵画のようだ。
背景は私の部屋だけど。



「私とめーちゃんがちゃんと面倒見てあげるから、安心して」



………。



はあっ!?




「ほんとですか!?」

「ほんとほんと、リリーはうそつかないんだよ」

「リリーさん大好きっ」

「ありがとー」


ていうか、リリーってあだ名呼びしてるし。


や、そこはどうでもいいんだっ。