カップをテーブルにのせ、振る舞う。



「ありがとー、めーちゃん」

「ありがとうございまーす」


きちんとお礼はいえるらしい。
そこだけは躾がちゃんとなってて、たいへんよろしい。






「で、何?拾ったって」


空気が少し落ち着いたところで、李莉に切り出す。


李莉は「うーん」なんて生返事しながら、紅茶を一口飲む。

おいしそうに飲んでから、口を開く。



「朝ね。アパートの前のごみ捨て場の隣に、この子がいたんだ。首に拾って下さい、て書かれたプレート提げて」

「………」

「私びっくりしちゃってね、かわいそうだから家に連れて帰ったの」

「りりーさんありがと~」

「いいえ~」




なごむ二人


いやいやいや。



「ちょっと待て」

「?」