そして深夜、不意に目を覚ました。



繋がっていた手はいつのまにかぎゅ、と力を籠められていて、気づけば小さくうなされる声がした。




ぼんやりする頭をなんとか叱咤して隣をうかがうと、光輝君が苦しそうな顔で寝ていた。




「うなされてるの…?」



かみしめた唇からうーという声が漏れる。



苦しそうな、悲しそうな音だ。


眼からはうっすらと涙がこぼれている。



「……ゆ…して…」



小さく言葉になる声。



「ごめ…さ…」



謝ってるようにきこえた。


一生懸命、許しを求めているようにきこえた。




その相手が誰かはわからないけど、あまり冷静でない頭は空いた手で光輝君の頭を何度も撫でていた。





大丈夫だよ、と。





やがて光輝君の呼吸が落ち着いて、ほっとした。




気づいたら私も、そのまま眠りに落ちていた。