「や、王子じゃないけど」


「だって、りりーさんのピンチに駆けつけていつも助けてたんでしょ?」



というよりは、ピンチの度に呼び出されて、強制的に助けさせられたというのが正解。



行かずとも呼ばれていた。



「でも、助けることができたってことはやっぱりめーちゃんは王子様ですよ」


「…」



王子様って、…なんかむず痒い。



「そんな立派なものじゃないって」



かっこいい王子様は呼ばれずとも登場する。




どちらかといえば、私は従者とか召使とかそんなものだ。

主人の為に、主人が輝くために裏の仕事をばりばりこなすのが役目。


日陰仕事の人。




「いいえ、めーちゃんはかっこいいですよ」




光輝君はそういって、立ち上がる。




脱衣所の方から音がして、りりがお風呂からあがったのがなんとなくわかる。



りりの次は光輝君の番なので、光輝君は準備を始める。